作曲の始め方について解説します。
作曲したいなと思った時に必要となるものと、作曲していく中で挫折しないための考え方を紹介します。
作曲をしたいと思っても始め方が分からず、あるいは難しそうだと諦めるパターンは多いです。
また作曲したあとでも挫折してしまうこともよくあります。
今回は作曲の始め方と作曲したい時に必要なもの、そして作曲に挫折しないための考え方について解説します。
それでは早速見ていきましょう。
作曲の始め方
作曲の始めるには大きく分けて2種類あります。
- 楽器で作曲
- DRMで作曲
楽器で作曲する場合はギターかピアノが一般的です。
特にピアノなど鍵盤楽器はDTMに移行した時にも役立つので、楽器で作曲する場合にはピアノなどの鍵盤楽器がおすすめです。
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ピアノで作曲する場合
必要なものはピアノもしくはキーボードなどの鍵盤楽器。
ピアノで作曲する場合には簡単なコードを弾いて、その響きからメロディを作るという作業になります。
まずは簡単なコードを決めてメロディを作り、それを元にコードとメロディを広げていくやり方です。
手順をまとめると
- 簡単なコードを弾く
- コードの響きに対してメロディを付ける
- コードとメロディーを広げていき一曲にする
メロディは自分で歌ってみると良いですね。
ただ歌いながらコードを弾くのは難しいので、ゆっくりなテンポで弾きながら歌ってみましょう。
特に最初のうちはコードチェンジ(コードの切り替わり)を弾くのは難しいので、使うコードを決めてゆっくりのテンポで弾くのが良いですね。
参考までに、最初に使うコードは
- C(ド・ミ・ソ)
- Dm(レ・ファ・ラ)
- Em(ミ・ソ・シ)
- F(ファ・ラ・ド)
- G(ソ・シ・レ)
- Am(ラ・ド・ミ)
この6つのコードで作曲していくのがおすすめです。
自分の納得のいくメロディが出来たと思ったら、スマホなどのボイスレコーダーで録音します。
楽譜が書ける場合は、メロディを五線譜に起こしてみましょう。
完璧主義にならない
最初のうちは誰だって上手く出来ません。
完璧を求めるあまり一向に先に進まずに挫折するパターンは意外に多いので、完璧さよりも一曲を完成させることに注力するのが良いです。
ピアノで作曲することのメリット
ピアノで作曲する場合には気軽にすぐに始められるのがメリットです。
鍵盤楽器さえあればすぐに始められるので、ふと思い浮かんだメロディに対応しやすいのがありますね。
ピアノで作曲することのデメリット
ピアノで作曲する場合は、拡張性がありません。
つまり作曲から編曲に以降することができないんですね。
この辺は環境や作曲したいジャンルにもよりますが、編曲を別の人に頼むやり方であれば問題はありません。
ボーカリストはこの方法(作曲と編曲の分業)が多い気がしています。
DTMで作曲する場合
DTMで作曲する、つまりパソコンを使って作曲する場合です。
個人的にはこちらがおすすめです。
DTMの環境を整えれば、前述したピアノで作曲した方法も可能ですし音色も多く編曲も可能なので。
ここではDTMで作曲するメリットとデメリットを解説します。
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DTMで作曲するメリット
前にお伝えしたように、作曲だけでなく編曲まで可能と拡張性があるということです。
またパソコンとDAW(パソコンで作編曲するためのソフト)が最低限用意できれば、すぐに始められます。
更に自分で演奏できなかったとしても色々な楽器を再現させられるのもメリットです。
実際の音や演奏を聴けることで、自分の想像や感性がイメージしやすくなるという要素もあります。
さらにMIDIキーボートを用意すれば、実際に弾きながら作曲することも可能です。
DTMで作曲するメリットをまとめると
- 作曲だけでなく編曲まで可能
- パソコンとDAWがあればすぐに始めることができる(最低限の機材環境)
- 色々な楽器を再現することが可能
- MIDIキーボートがあれば、弾きながら作曲もできる
DTMで作曲するデメリット
DTMで作曲するのなら、パソコンの基本的な使い方は覚えなければいけません。
また作曲ソフトであるDAWの使い方も覚えなければいけないんですね。
だから自分のやりたいことができない、なんてことも。
さらにDAWは多機能なソフトが多く、機能が多すぎるがゆえに難しく感じてしまうことが多いです。
DTMに興味を持ったけど諦めた人の多くは、DAWの取っ付きにくさハードルになっているように思います。
まとめると
- パソコンの基本的な使い方を覚える
- DAWの使い方を覚える
DTMで作曲する場合の注意点
前述したデメリットがあったとしても、僕はDTMでの作曲をおすすめします。
今なら基本的なパソコンの使い方ならネット上にたくさん載っていますし、友人や知人に聞いて解決することも多いです。
また最初のハードルともいえる「DAWのソフトを覚える」
これはDAWの機能や使い方のすべてを覚える必要は全くありません。
むしろ全部覚えようとするのはシンド過ぎます。。。
だから自分が必要なところだけ覚えていって、徐々に使える範囲を広げていくやり方がおすすめです。
じゃあ自分が必要なところをどうやって覚えるの?
と、これも結構相談されるのですが、
これはネットと書籍です。
知名度のあるようなDAWのソフトであれば、同じユーザーが使い方をネットで発信していたりします。
その様なネットの情報を参考にするのが一つの方法です。
そしてもう一つが書籍。
個人的にはソフトを購入する時に、同時に書籍も購入するのをオススメしています。
DAWのソフトを購入しても説明書が付いているわけではありません。
有名なDAWのソフトなら大抵は使い方のマニュアル本が出版されています。
大抵の書籍は基本的なソフトの機能を網羅しているので、ネットで検索し情報を探すよりも便利だし時間もかかりません。
なので、DAWのソフトを購入した時には、そのソフトのマニュアル本も同時に購入すると、スムーズに作曲の作業に入ることができますよ。
まとめると
- パソコンの使い方はネットで検索すればたいてい解決する
- DAWのソフトを基本的な使い方(自分が必要だと思う部分)だけ覚える
- 使い方はネットや書籍を活用する
- DAWのソフトとマニュアル本の同時購入がおすすめ
作曲の順番
作曲の順番にルールも正解もありません。
基本は自由です。
一般的な作業手順はいくつかあます。
- メロ先
- 詞先
- コード先
- リズム先
- 構成から作曲
メロ先
メロディを先に作る手順。
メロディを作ってからコードを付けて歌詞やリズムなどを作っていく順番ですね。
何もない状態でメロディを生み出すのが得意だったり苦じゃなければ良いですが、個人的にはけっこう難しい作曲の順番だと思います。
詞先
作詞を先に行い、出来上がった歌詞にメロディとコードを作っていく手順です。
歌詞にメロディを付けるため、メロディに制約が出て来ますが、自分で作詞もするのならやりやすいのかも。
ただ他の人に作詞して貰う場合には、作詞の修正も含めた打ち合わせは必要だと思います。
コード先
コード・コード進行を先に作ってからメロディを作る手順。
コードの響きからメロディを作るため、何もない状態で0からメロディを生み出すよりも作りやすいです。
リズム先
リズム(ビート)を先に作ってから、そのリズムにメロディやコードを載せていく順番です。
こちらもコード先と同じように、リズムが入る分メロディやコードを作りやすいと思います。
構成から先に作曲
曲の構成を先に作る作曲順です。
曲構成とは、AメロやBメロ、サビなどの構成ブロックのこと。
作る曲の構成を先に決めてから、その構成にはめるようにメロディやコード、リズムを作っていく作曲順です。
ですが、これメロディはかなり作りにくいやり方だと思います。
ある程度、作曲に慣れるまではあまりオススメしません。
おすすめの作曲の順番
前述した複数の作曲の順番の中でおすすめなのが、コード先とリズム先です。
コード先にしてもリズム先にしても、メロディを作る補助をしてくれるので作業ははかどりやすいです。
ちなみに、ここでのコードは仮付けで良いです。
編曲の段階で作り込むので、作曲の段階では「ピアノでの作曲」で紹介したように簡単なコードを付けていきます。
リズムも同様に簡単なリズムを作っていきます。
作曲したい時に必要なもの
作曲したい時に必要なものを紹介します。
作曲に使う機材を揃える
楽器で作曲するのなら当然、楽器が必要なのですが、DTMで作曲する場合には以下が必要となってきます。
- パソコン(必須)
- DAWソフト(必須)
- MIDIキーボード(あった方が良い)
- オーディオインターフェース(あった方が良い)
- スピーカー(任意)
- ヘッドフォン(任意)
最低パソコンとDAWがあれば可能ですが、全て揃えればDTMを始める環境としては完璧です。
パソコンですが、DAWを扱うことはパソコンに結構な負荷を掛けます。
なので、なるべく高スペックが望ましいです。
とはいっても高スペックのパソコンは高額なものが多いので、僕が思う最低ラインのスペックを紹介します。
- CPUはcore i5以上
- メモリは8GB以上
ここが最低限かなと。
特にメモリはなるべく妥協しないでください。
CPUはこれより低かったとしてもなんとなるかもしれませんが、メモリ不足はかなり致命的です。
過去これで大変な目にあったので、メモリは8GB以上のパソコンを買うと良いですね。
個人的には16GB。これだけあれば安心安定なDTMライフを送れます。
書籍を揃える
DTMで作曲する場合は、前述したようにDAWのマニュアル本を購入することをおすすめします。
またコードやコード進行の知識を増やしていくために、コード理論などコードの勉強になるような教本もオススメです。
曲の骨組みとも言えるコードの部分の理解を深めることで、作曲の幅は広がります。
音楽理論はいらない、音楽理論を勉強するのは面倒という人でも、コードを覚えるというために特化すればそれほど苦では無いと思います。
コードの種類や基本的な弾き方を覚えるだけでも全然違いますからね。
コード進行についてはこちらの記事も参考にしてみてください。
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勉強と実践の繰り返し
作曲する環境とコード関連の書籍を揃えたら、あとは実践あるのみ。
コードの教本も最初から全て覚える必要はなくて、作曲しながら読んでいく・勉強していく形が良いかと思います。
本ばかり読んでても面倒くさくなってしまって、挫折してしまうので。
コードの書籍はアイデアや行き詰まったときの参考書のように捉えて、まず曲を作るのを優先するのが良いですね。
作曲に挫折しないための考え方
楽器にしてもDTMにしても作曲に挫折してしまう原因の一つに、インプットに偏ってしまうことがあります。
音楽理論を学ぶにしても、コード関連やDTM関連の書籍を読むにしても、それで疲れてしまって諦めてしまったら意味が無いです。
だから、インプットも大切ですが、アウトプット(作曲する・編曲する・公開する)がもっと大切です。
比重としても4:6、もしくは3;7でもいいくらいだと思っています。
そこで、作曲に挫折しないための具体的な考え方をいくつか紹介します。
下手でも曲を作りきる
「ピアノで作曲する場合」の章でもお伝えしましたが、100点や完璧を求めてしまうと何も進めなくなってしまいます。
それに最初は誰でも下手だし、思った様な曲ができないことが普通です。
なので、最初は下手でも曲を作りきる、一曲を完成させることを目標として作曲すると挫折もしにくいと思いますよ。
ピアノを弾けるようになる
ピアノが弾けるようになることは、DTMにおいてとてもメリットになります。
DAWは作編曲する時にいくつかの画面を選べるのですが、ピアノロールという画面が一番作業はしやすいんですね。
そして、MIDIキーボードをつなぐことで鍵盤を弾きながら作編曲ができるので、ピアノを弾けるようになることは作曲の作業の効率化にもなります。
ここでいうピアノが弾けるというのは、「ピアニストのように」とか「一曲弾けるように」というレベルでありません。
ピアノでコードを弾くことにある程度慣れているくらいで十分です。
ピアノの音程の位置やピアノでのコードの押さえ方が分かる程度で良いので、大人の方でも十分可能なレベルです。
ピアノに慣れているってだけでも違うので、ぜひ触れる機会を作ってみてくださいね。
曲を聴いてもらう
バンドやイベント、依頼など何か用途がある場合以外、自分で作った曲を聴いてもらえることはありません。
これって結構重要なことなんです。
最初のうちは一曲できたことの喜びもあるでしょうが、次第に慣れていき曲を作る意味が見いだせなくなります。
プロを目指すのならもちろんですが、趣味であっても長続きしません。
だから自分以外の他人に自分が作曲した曲を聴いてもらうことをおすすめします。
今の時代ネットの環境も整っているので、自分の曲を発信するのは簡単です。
ぜひ他人に聴いてもらう機会を作りましょう。
自信のない曲でも聴いてもらう
自分の曲を聴いてもらう事は、刺激にもなるし勉強にもなります。
また作曲のスキルを上げることにも繋がるので、自信が無かったとしても誰かに聴いてもらうのをオススメします。
音楽は芸術の分野であり、数学のような明確な答えはありません。
更に言えば、リスナーの趣味趣向があるので、曲の善し悪しなんか人それぞれです。
どんなに良い曲でも否定派はいます。
日本で今大人気の米津玄師さんの曲や世界的に流行っているEDM、世界の歌姫ともいえるアリアナ・グランデやテイラースイフト、名曲量産しているエド・シーランなどの曲であっても否定派は居ます。
100人が100人とも絶賛される曲なんてありません。どんな名曲でも。
なので自信が無かったとしても自分の曲を公開していきましょう
批判を受けるのが怖いのなら
「ネット公開すると批判される怖さがあるな・・・」
と抵抗があるのなら、TwitterやブログではなくFacebookなど割とクローズドなSNSで公開するのも一つです。
それにブログにしても、訪問者に友人が多いのならブログでも良いと思います。
そして批判が来てもそれほど落ち込む必要もありません。
個人的に批判は2種類あると思っています。
- 中身のない批判
- 建設的な批判
中身のない批判は、誹謗中傷ってやつですね。
ただ批判したいだけのコメントや感想は無視でOKです。
自分にとって何のメリットもないので。
建設的な批判というのは、音や構成など曲作り方に対してやイメージ、曲の違和感などを具体的に批判している場合です。
もちろん全てが有益とは限りませんが、「次に作る曲の参考になるな」と思うようにすれば良いですね。
それにダメ出しはアドバイスと捉えれば気持ちも楽だと思います。
でも大抵は批判はしてこないです。
というか、
実力者やスキルの高い人が、嫌いな曲やイマイチだなと思った曲にわざわざコメントしてきません。
どちらかというと、良いと思った人の方が感想やコメントを残してくれます。
自分が作った曲に「好きだ」「感動した」などプラスの感想を聞ければ、また次の曲を作ろうと思えるし刺激になりますよね。
何より自分に自信がつきます。
作曲を続けるためにも感想を聞けることは良いことです。
それでもネット公開は抵抗がある場合は
それでもネットの公開はどうしても抵抗が・・・
という場合には、家族や友人など身近な人に聴いてもらうのが良いと思います。
できれば、
- 全く音楽の知識(作曲の知識)が無い人
- 音楽の知識(作曲経験者・バンド経験者など)がある人
この2種類の人に聴いてもらうと、一リスナーの感想と経験者の感想が聞けて自分にプラスになると思います。
身近な人間なら抵抗も少なく聴いてもらえると思うので、ぜひ家族や友人、恋人に聞いてもらいましょう。
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最後に
作曲の始め方は人それぞれですが、順番に進めて余計な作業をしなければスムーズに始められます。
また作曲で挫折していしまうのは、インプットに偏ってしまうという傾向があるので、まずは一曲作ることを目標に頑張ってみるのが良いと思います。
そして、作曲を継続するためには自分の作った曲を聴いてもらい、褒めてもらいましょう・笑
やっぱり自分の作った曲に良い感想を聞けることは、今後の原動力になりますからね!