DTMの始め方について解説します。
DTMに興味を持って始めようと思ったんだけど、ハードルを高く感じてしまい諦めてしまう。そんな人も少なくないようです。
「何から手を付けていいか分からない・・・」
という風にならないために、初心者がDTMを始める時に必要なものと、DTMには必須であるパソコンのスペックについて解説します。
またDTMを始める前に知っておいた方が良い知識や情報も合わせて紹介します。
それでは早速見ていきましょう。
DTMとは
DTMとは「Desk Top Music 」の略で、パソコン上で音楽制作を行うことを意味します。
DTMは作編曲からレコーディングやミキシング、マスタリングなど、音楽制作のすべてをパソコン上で可能にしてくれます。
完成した作品を音源化することももちろん可能なので、DTMで作った作品をメールやクラウドで友人に送ったり、スマホで視聴したりすることができます。
またSNSやサイトなどネットのメディアを使って、自分が作った作品を世界に向けて発信することもできますよ。
例えば日本の裏側に住んでいる人から、自分の作品の感想を聞けたりするのはとても面白いですよね!
初心者のための作曲方法ガイドを作成してみました。 作曲の始め方、作曲方法、編曲、DTMなど作曲方法に関わることについてまとめています。 作曲はどうやって始めればよいのか? 作曲や編曲(アレンジ)やり方は? など、[…]
DTMでできること
DTMでできることをは前章で少し触れましたが、本章で詳しく解説します。
自分の好きなようにゼロから曲を作ることができる
自分の好きなように、思うがままにゼロから曲を作ることが出来ます。
つまり作曲や編曲ができるよってことですね。
もちろん自分が頭に思い描くような曲を具現化するためには、知識や経験は必要です。
つまりDTMは自分が頭に思い描くような曲を具現化するための環境ってところですね。
録音することができる
DTMでは自分で歌った歌や楽器の演奏を録音する(音源化する)ことができます。
DTMであればスタジオの機材を使わなくてもできるってことですね。
もちろん録音するための環境は必要となってきます。
でもエレキやキーボードであればヘッドフォンなどで対応できるので、一般家庭での自宅録音(宅録)もしやすいと思います。
歌であればお住まいの環境に左右されると思いますが、カラオケルームや静かな公園または公営の施設などを借りて録音することも、DTMなら可能にしてくれます。
編集ができる
録音した音源やソフト音源などをDTMで編集することができます。
編集は色々ありますが、例えば音と音を繋いだり、音を加工したり、いらない箇所を削除したりするなどですね。
何回か録音した歌のいいとこ取りをすることもできます。
例えば、テイク1ではミスした部分は削除して、削除した部分はテイク2で録音した音源を採用する、なんてことも可能です。
楽器が演奏できなくても曲を作れる
DTMは楽器を演奏できなくても、曲を作ることができます。
いわゆる「打ち込み」というデータを入力するようなやり方で、入力されたデータを元にパソコンが演奏してくれます。
つまりDTMであればパソコンが代わりに演奏してくれるので、全く楽器演奏ができなくても問題は無いってことですね。
色々な楽器の音が使える
DTMではギター、ベース、ドラム、ピアノ、シンセなどメジャーな楽器はもちろん、民族楽器やバイオリンやトランペットなどDTMじゃないと一般的には難しい楽器の音も再現可能です。
DTMの環境にもよりますが、楽器の種類はかなり豊富なので音を出しているだけでも楽しいですよ。
DAWとは
DTMをするうえで絶対に必要となってくるのがDAW。
DAWとは「Digital Audio Workstation」の略で、DTMするためのソフトやアプリをイメージしてもらうと分かりやすいと思います。
前述したDTMで出来ることの大半は、DAWを使って行います。
DAWできる作業
DAWでできる具体的な作業は主に
- 作曲
- 編曲(アレンジ)
- 音の録音
- 音源の加工や編集
- 音源のミックス
- マスタリング(総仕上げ)
です。ほとんどDTMの章での解説の繰り返しになっていますが、DAWでできる作業は曲を作る1から10まで全て可能だということですね。
音源のミックスというのは、各楽器の演奏(複数の音源)を合わせて1つの音源にすること。
マスタリングは音量や帯域の調節など、出来上がった曲の最終調整のことです。
DTMは万能ではない
DTMはパソコンのようなものです。
パソコン自体は高機能であっても使う人次第で変わってきます。DTMも全く同じです。
DTMは機材環境を揃えてしまえば簡単に始められますが、それがイコール「作曲と編曲ができる」には繋がりません。
音楽や作曲、編曲の勉強や知識は重要ですし、経験も必要となってくることもあります。
またDTMに挫折してしまう最初のポイントだと思いますが、DAWの使い方も覚えなければいけません。
短い簡単な曲を1曲作れれば良いのであれば、多少の知識で何とかなるかもしれません。
しかし、自分の思い描く曲を作れるようになるためには知識と経験は必須です。
なので自分がイメージしている曲をDTMで具現化するためには、勉強や経験を積まないといけないってことですね。
DTMの機材の種類
DTMの一般的な機材は主に
- PC(必須)
- DAW(必須)
- インターフェース(あった方が良い)
- MIDIキーボード(あった方が良い)
- モニターヘッドフォン(任意)
- モニタースピーカー(任意)
- マイク(任意)
- ソフト音源(任意)
- プラグインエフェクト(任意)
- ループ音源(任意)
上記がDTMの機材の種類です。
DTMを始めるためにはPCとDAWがあればDTMをすることは可能です。
そして全て揃える必要はありません。
DTMで作るジャンルや使用目的、生活環境によって変わってきます。
初心者がDTMを始める時に必要なものは
PCとDAWさえ揃えればDTMをする環境は整ったことになりますが、PCとDAWだけって本当に最低限の環境です。
作業効率や作業の拡張など将来的なことを考えれば、オーディオインターフェースとMIDIキーボードは用意した方が良いです。
ヘッドフォンも合った方が良いです。そして、DTMをする場所で音を出せるのであれば、スピーカーも用意するといいでしょう。
デジタルとアナログの変換器
録音した音を取り込み、作った音を再生するための機材。
初心者の方がDTMを始める時に必要なものをまとめると
- PC
- DAW
- オーディオインターフェース
- MIDIキーボード
- ヘッドフォン or スピーカー(または両方)
DTMに慣れてきたら欲しい機材
DTMにある程度慣れてきたら、ソフト音源やプラグインエフェクトの購入を検討してみてください。
ソフト音源は音源が収録されているソフトで、ギター音源やピアノ音源など楽器ごとのパッケージが多いです。
DAWに付属されている音源で物足りなくなったり、使いたい楽器が無い場合には、ソフト音源の購入を考えてみても良いと思います。
プラグインエフェクトは、エフェクト専用のプラグインツール。
DAWの機能にもエフェクトは付いていますが、
「もっと種類を増やしたい」「付属のエフェクトはイマイチ」
って思った時には、検討してみるのが良いと思います。
DTMにお金をかけたくないなら
DYMはやってみたいけどお金をかけたくない場合は、今はパソコン以外は全て無料で揃えることができます。
ただし、やはり無料なだけに機能に期待はできないし、音質面でも有料には劣ってしまいます。
それを踏まえて検討してみると良いですね。
無料と有料のメリットとデメリット
無料と有料のメリットとデメリットについてまとめます。
無料で揃えるメリット
- お金がかからない(無料)
- パソコンの負荷が少ないことが多い
- 有名な無料DAWであれば、ネットなどに情報(使い方)が出ている。
無料で揃えるデメリット
- 機能面、音質面で劣る(チープ)
- サポートが無いので不具合が出たらどうしようもない
- マイナーなツールは情報が少ない
- 有料に比べての種類が少ない
- 環境が限られる
有料で揃えるメリット
- 高機能、高音質
- 情報が豊富(大抵のDAWはマニュアルの書籍が出版されている)
- サポートがあるので安心
有料で揃えるデメリット
- お金がかかる(揃え方によっては高額になることも)
- パソコンの負荷が高いものが多い
どうしてもDTMにお金をかけたくないのであれば、無料で揃えるのも一つの方法です。
しかし、できれば有料のDAWや音源、エフェクトを使ったほうが良いと思います。
例えば音質なんかはかなり差があるので、やる気や楽しさも変わってくると思いますから。
DTMに使用するパソコンの推奨スペック
DTMに使用するパソコンはできれば高スペックが望ましいです。
最低スペック環境と推奨スペック環境を紹介します。
- CPU:core i5以上
- メモリ:8GB以上
- HDD:250G以上
- CPU:core i7以上
- メモリ:16GB以上
- HDD:1T以上
最低スペックを下回ると作業の途中で動作が止まる、落ちることが多くなります。
せっかく作ったのに消えてしまう事になりかねません。
特にメモリは状況によっては面白いくらい喰います。
CPUは多少低くてもメモリは多く積むことがおすすめです。
過去にメモリ4GBのPCを使ってプラグインがまともに再生せず、DAWでのリアルタイム録音ができない(強制終了してしまう)などの事象がありました。
ストレスと労力の無駄遣い感はハンパないです・汗
なので、できるだけ紹介した推奨スペック以上のパソコンにしてもらえると安心できると思いますよ。
DTMを始める前に検討すること
DTMを始める前に考えておくことがあります。
- DTMを使う目的をはっきりさせる
- どんな音楽を作りたいか
- WindowsかMACか
- パソコンはノートかデスクトップか
- パソコンの必要なスペックは
- どのDAWソフトを使うか
DTMを使う目的をはっきりさせる
DTMはできることが多い分、使う人の使用用途(メインとなる作業)によって、揃える機材環境が変わってきます。
例えば
- 作曲やアレンジ
- ボーカルやバンドのレコーディング
- リミックスや編集
- ビートメイキング
上記は一例ですが、作曲やアレンジがメインであればマイクは必要ありませんが、レコーディングがメインであればマイクは必須です。
またリミックスや編集、サンプリングを使ったビートメイキングであれば、色々な種類のDAWの中でその作業が強みのDAWを選んだほうが良い場合もあります。
なので、まずDTMの使用目的をはっきりさせておきましょう。
どんな音楽を作りたいか
どんなジャンルの音楽を作りたいかでも多少変わってきます。
EDMならデジタル系の音色が豊富な環境が良いでしょう。
HIPHOPであればサンプリング音源やループ音源の使用も視野に入ります。
クラシック系やオーケストラ曲を作りたいのであれば、ストリングス系(バイオリンやビオラなど)やブラス系(トランペットやサックスなど)の音色は必須ですよね。
またボカロ曲を作りたいのであれば、ボーカロイドは必須のソフト音源となります。
DTMを始める前にどんな形の音楽を作りたいかを考えてみましょう。
WindowsかMACか
パソコンはWindowsが良いか、MACが良いか。
これは「どっちでも良い」というのが僕の見解です。
「クリエイター系の作業はMACが良い」が多くの人の意見です。
一昔前はWindowsにクリエイターのソフトが無くMAC一択だったし、クリエイターの人たちがMAC主流なので自然とMACという流れでした。
またWindowsと違いMACは販売元がAPPLE社だけなので安定性のシェアがしやすく、Windowsより安定性を確保できるという意見もあります。
しかし、現在はWindows対応のソフトはMACと遜色ないですし、スペックにおいても変わりはありません。
またゲーミングPCのようにDTM用のPCも売られているので、安定性というのははっきり言って変わらないです。
ただデザイン性はMACの方がカッコイイしオシャレなので、特に持ち運んで作業するのならMACが良いのではないでしょうか。
あとWindowsとMACのどちらに慣れているか、というのもあるんで、
- 自分が慣れている方
- デザイン性
- 金額面
この3つで選んでみてはどうでしょうか。
値段的にはMACの方が割高になることが多いですが、デザイン料と考えればいいのかも・・・
パソコンはノートかデスクトップか
DTMの使用用途によります。
ライブで使用するバンドで使用するのであればノートパソコンですし、自宅で大きな画面で作業するのがメインであればデスクトップです。
要は外に持ち運ぶかどうか。
この一点ですね。
どのDAWソフトを使うか
どのDAWソフトを使うのか決めます。
DAWの種類は色々ありますが、ユーザーの多いDAWを使うことをオススメします。
なぜかと言うと、それだけネットに情報があるからです。
イレギュラーな事象や使い方など情報量が多いので、ユーザーの多い有名なDAWを使うのがおすすめですし安心ですね。
有名なDAWだと
- Cubase
- Logic Pro(MACのみ)
- Studio One
- Ableton Live
- FL Studio
- Pro Tools
このあたりですね。
その中でCubaseが妥当で一般的にはおすすめされます。
個人的にはFL StudioはEDMやHIPHOP系を作る人に多く、Pro Toolsはミキシング&マスタリングに重きをおいている印象です。
ちなみにPro Toolsはプロが標準に使っているソフトで、ほとんどのプロやスタジオに導入されているのではないでしょうか。
個人的におすすめなDAW
一般的におすすめされているDAWは前述したようにCUBASEで、機能面も優れているしCUBASEを持っていればOKだと思います。
ただ個人的におすすめなのはABILITY です。
まぁ僕自身がABILITYを使った事がないので、強くおすすめはできないのですが・・・汗
ではなぜおすすめなのかと言うと、ABILITYはSSW(Singer Song Writer)というDAWの上位機種だからです。
僕はSSWとCUBASEを併用していたのですが、SSWの使いやすさは抜群でした。
打ち込みや直感的な操作は個人的には抜群だと思っていて、MIDIデータ(MIDIキーボードなどで打ち込んだ演奏データ)の編集はCUBASEより上だと思っています。
でも波形編集や録音した音の編集などデジタルデータの操作は、SSWよりCUBASEの方が断然上なのでSSWとCUBASEを併用していました。
そんなSSWの上位機種であるABILITYなら恐らく使いやすさは抜群だと思うので、DAW選びの候補の一つとしてチェックしてもらえばって思います。
最後に
DTMの始め方としてはまずは機材環境を揃えるわけですが、「DTMで何をしたいのか」で変わってきます。
DTMをする場所や金銭面などでもDTMを揃える機材やパソコンも変わってくるので、今回解説したポイントで検討する際の参考にしてもらえればって思います。
ぜひDTMを始めて楽しい音楽活動をしていってくださいね!