ピアノコードの簡単な覚え方について解説します。
今回はなるべく音楽理論を省いて、独学で覚える場合にも役立つ初心者向けの覚え方を紹介します。
そしてピアノコードを解説するために、まず覚えておくべきことも合わせて解説します。
それでは早速見ていきましょう!
基本知識は知っているよ!という方は基本知識の箇所は飛ばしてもらって、目次から該当箇所にジャンプしてくださいね^^
コードとは
まず大前提になりまうがコードについて簡単に説明します。
コードとは日本語だと和音という言葉で表現される
3つ以上の音が重なった音
のことです。
基本となるコードは3つの音ですが、4つ以上の音を重ねたコードもあります。(2音のコードもあります)
コードは「C・D・E・F・G・A・B」で表示されて、これが基本コード(メジャーコード)となります。
この基本コードに色々な付属品が付いてくる感じですね。
例えばCm,C7、Csus4などで、たくさんあります。
上の画像が主によく使われているコードです。
ただC7(9)やCm7-5など組み合わせたコードやテンションコードというコードもあるので、厳密に言えばこれだけじゃないです。
このようにコードにはたくさんの種類があります。
全部覚えるのはとても大変ですが、使うコードを覚えていけば良いので全てを覚える必要はありません。
というか、全部覚えるやり方は効率悪いですよね・汗
コードとコードの流れをコード進行といい、コード進行にはいくつかのルールがあります。
コード進行の作り方については以下の記事を参考にしてもらえれば。
作曲する上で必要となるコード進行の作り方を初心者の方向けに解説します。 コード進行を作る方法は色々なアプローチがありますが、作曲に慣れていない方におすすめの方法は コード進行のパターンの雛形を作る コード進行をモデリン[…]
ピアノコードを覚えるための基礎知識
ピアノコードを覚えるためには、いくつかの基礎的な知識を頭に入れておく必要があります。
- 「ドレミファソラシ」とピアノの鍵盤の位置
- #(シャープ)と♭(フラット)について
- ピアノの音階と異名同音について
- 「ドレミファソラシド」とコードの位置関係
- コードのルートについて
主にこの5つを理解しておく必要があります。
5つと少し多いですがとても簡単なことです。
それに基本的な事なので知っている事柄も多いかもですね~
それでは順に解説していきます。
1.「ドレミファソラシ」とピアノの鍵盤の位置
ピアノコードを覚える大前提として、「ドレミファソラシド」とピアノの鍵盤の位置は把握しておかなければなりません。
ピアノを触った事がある人なら知っている人も多いと思いますが、ピアノの鍵盤と「ドレミファソラシ」の位置関係は上の図のようになります。
まずどの鍵盤が「ドレミファソラシ」なのかを覚えます。
2.#(シャープ)と♭(フラット)について
コードも含めて楽譜や音階など音楽には#(シャープ)と♭(フラット)というものがあり、それぞれ
- ♯(シャープ):半音上
- ♭(フラット):半音下
という意味です。
例えばド#だったら、ドより半音高い音=ドとレの間の音となります。
ド#はピアノの位置でいうと
ドとレの間の黒鍵になります。
3.ピアノの音階と異名同音について
ピアノは白鍵と黒鍵で構成されていて、半音ずつの配置となっています。
つまりピアノは
「ド・ド♯・レ・レ♯・ミ・ファ・ファ♯・ソ・ソ♯・ラ・ラ♯・シ」
この並びです。
ここでドの半音上の音はレの半音下と同じ音とになりますよね。
つまりドの半音上=レの半音下は同じ音ですが、「ド♯」「レ♭」で表せます。
これを異名同音というのですが、つまりは同じ音で呼び名が違うってことですね。
「ドレミファソラシ」とコードの位置関係
「ドレミファソラシ」をコードに置き換えると「C・D・E・F・G・A・B」となります。
コードに置き換えて図にしてみると
コードのルートについて
ここまでの解説で、
「コードは3つの音から成り立っているのにドがCって?」
という疑問がでるかもしれませんね。
これはドがCの基本の音ということを表しています。
Cのコードは「ド・ミ・ソ」の構成音です。
この中でドがCの基本の音となり、これをルートと呼びます。
なので、コードに対するルート音はそれぞれ
- C=ド・ミ・ソ
- D=レ・ファ♯・ラ
- E=ミ・ソ♯・シ
- F=ファ・ラ・ド
- G=ソ・シ・レ
- A=ラ・ド♯・ミ
- B=シ・レ♯・ファ♯
ルートは基本コードが同じであれば変わることはありません。
ルート(根)の名前のとおりコードの絶対的な音、無くてはならない音なので、コードの頭のアルファベットが変わらなければルートは同じです。
例えばCm、C7、Caugであってもルートは同じ「ド」になります。
このルートの音がベースの音にもなるので、ルート音の他にベース音と呼ばれることもあります。
ピアノコードの覚え方は2種類
ピアノコードの覚え方には2種類あって、
- コードに対応した鍵盤位置(指の形)を丸暗記
- コードの仕組みを理解する
この2通りです。
ですが、コードの位置を丸暗記するのは大変だし、効率が悪いです。
コードの仕組みを理解してしまえば、初心者でももっと簡単に覚えることができるんですね。
次の章でその仕組を解説します。
ピアノコードの簡単な覚え方
ピアノコードの簡単な覚え方はコードの仕組みを理解すればいいのですが、決して音楽理論的な仕組みではなくもっと簡単な覚え方を紹介します。
それはルート音から数えて覚える方法です。
そしてそこから簡単に把握する方法があります。
各コードの構成音(3つor4つの音)は規則的に配置されています。
その配置を数に変換して覚えてしまうのとその応用が一番簡単なんですね。
今回は
- メジャーコード(例:C)
- マイナーコード(例:Cm)
- セブンスコード(例:C7)/マイナーセブンスコード(例:Cm7)
- メジャーセブンスコード(例:CM7)/マイナーメジャーセブンスコード(例:CmM7)
- シックスコード(例:C6)
- アドナインコード(例:Cadd9)
- フラットファイブコード(例:C-5)
- サスフォーコード(例:Csus4)
- ディミニッシュコード(例:Cdim)
- オーグメントコード(例:Caug)
- オミットスリーコード(例:Comit3)
の簡単なコードの覚え方を解説します。(クリックすると該当コードの説明箇所に飛びます)
なおここではスタートのルート音(1番目の音)を1と数えています。
メジャーコードの覚え方
メジャーコードとはCやDなど付属となるものが付いていない、全てのコードの元となるコードです。
メジャーコードを数に置き換えます。
まずルートの音を1として、そこから半音単位で5つ目の音と5つ目の音から4つ目の音となります。
例えばCならルートはドなのでドが1となり5つ目の音は・・・
ミとなります。
そしてミから4つ目の音を探すと・・・
ソとなります。
ということで、Cのコードは「ド・ミ・ソ」だということが分かりますね。
まとめると
メジャーコードの覚え方まとめ
- ルート音(1番目の音)
- ルートから半音づつ数えて5つ目の音(2番目の音)
- (2番目の音)から半音づつ数えて4つ目の音(3番目の音)
マイナーコードの覚え方
メジャーコードの時と同じ様に数えていきます。
マイナーコードの場合は
- ルート音(1番目の音)
- ルートから半音づつ数えて4つ目の音(2番目の音)
- (2番目の音)から半音づつ数えて5つ目の音(3番目の音)
です。
ただし、メジャーコードを覚えていればマイナーコードの場合は数で覚えるよりも
メジャーコードの2番目の音を半音下げる
って覚えたほうが簡単です。
Cは「ド・ミ・ソ」なので、Cmは2番目の音ミを半音下げて「ド・ミ♭・ソ」です。
メジャーコードさえ覚えちゃえば、マイナーコードはとても簡単に覚えることができますね~
マイナーコードの覚え方まとめ
- ルート音(1番目の音)
- ルートから半音づつ数えて4つ目の音(2番目の音)
- (2番目の音)から半音づつ数えて5つ目の音(3番目の音)
もしくは
- メジャーコードの2番目の音を半音下げた形
セブンスコード/マイナーセブンスコードの覚え方
セブンスコードとマイナーセブンスコードはこれまで紹介した、メジャーコードとマイナーコードにセブンスがついたコードです。
メジャーコードやマイナーコードにセブンス(7th)の音が付いて4つの音になります。
表記的には、メジャーコードであればC7、マイナーコードであればCm7など。
セブンスコードとマイナーセブンスコードの覚え方も数で覚えましょう。
メジャーコードやマイナーコードの3番目の音から数えて4つ目の音になります。
メジャーコード(例:C7=ド・ミ・ソ・シ♭)
マイナーコード(例:Cm7=ド・ミ♭・ソ・シ♭)
セブンスコードの覚え方まとめ
- メジャーコード(マイナーコード)の音(1番目~3番目の音)
- 3番目の音から数えて4つ目の音(4番目の音)
メジャーセブンスコード/マイナーメジャーセブンスコードの覚え方
メジャーセブンスコードとマイナーメジャーセブンスコードは前述したセブンスコードとほぼ同じです。
メジャーコードやマイナーコードにメジャーセブンス(M7th)の音が付いて4つの音になります。
表記的には、メジャーコードであればCM7、マイナーコードであればCmM7など。
セブンスコードとマイナーセブンスコードの覚え方も数で覚えましょう。
メジャーコードやマイナーコードの3番目の音から数えて5つ目の音になります。
メジャーコード(例:CM7=ド・ミ・ソ・シ)
マイナーコード(例:CmM7=ド・ミ♭・ソ・シ)
セブンスコードの覚え方まとめ
- メジャーコード(マイナーコード)の3つの音(1番目~3番目の音)
- 3番目の音から数えて5つ目の音(4番目の音)
シックスコードの覚え方
シックスコードはメジャーコード(マイナーコード)に6番目の音を追加した4つの音のコードです。
表記的にはメジャーコードであればC6となります。
メジャーコードに3番目の音から数えて3つ目の音を追加します。
例:C6=ド・ミ・ソ・ラ
シックスコードの覚え方まとめ
- メジャーコードの3つの音(1番目~3番目)
- 3番目の音から数えて3つ目の音(4番目の音)
アドナインコードの覚え方
アドナインコードの表記は「add9」で9番目の音を追加するという意味合いの表記になっています。
例えばCadd9などで表記される装飾コードです。
シックスコードと同様に覚え方としては
メジャーコードにルート(1番目)から3つ目の音を追加します。
例:Cadd9=ド・レ・ミ・ソ
アドナインコードの覚え方まとめ
- メジャーコードの3つの音(1番目~3番目の音)
- ルート(1番目)の音から数えて3つ目の音(4番目の音)
フラットファイブコードの覚え方
フラットファイブコードはマイナスファイブという人もいるコードで、「-5」や「♭5」で表記はされます。
例えばC-5やC♭5って感じで、5度の音を半音下げるという意味合いです。
フラットファイブコードの場合は
- ルート音(1番目の音)
- ルートから半音づつ数えて5つ目の音(2番目の音)
- (2番目の音)から半音づつ数えて3つ目の音(3番目の音)
です。
しかしフラットファイブコードの覚え方としては、マイナーコードと同じく数えるよりも簡単な覚え方があります。
それが
メジャーコードの3番目の音を半音下げる
です。
例:C-5=ド・ミ・ソ♭
この様なシンプルな形で使用されることは少ないく、大抵はマイナーセブンス・コードと組み合わせたm7-5という形で使用される事が多いコードです。
フラットファイブコードの覚え方まとめ
- ルート音(1番目の音)
- ルートから半音づつ数えて5つ目の音(2番目の音)
- (2番目の音)から半音づつ数えて3つ目の(3番目の音)
もしくは
- メジャーコードの3番目の音を半音下げる
サスフォーコードの覚え方
サスフォーコードはsus4で表記される装飾コードです。
サスフォーコードの覚え方は、マイナーコード、フラットファイブと同様です。
サスフォーコードの数で覚える場合は
- ルート音(1番目の音)
- ルートから半音づつ数えて6つ目の音(2番目の音)
- (2番目の音)から半音づつ数えて3つ目の音(3番目の音)
です。
数えるよりも簡単な覚え方が
メジャーコードの2番目の音を半音上げる
です。
例:Csus4=ド・ファ・ソ
サスフォーコードの覚え方まとめ
- ルート音(1番目の音)
- ルートから半音づつ数えて6つ目の音(2番目の音)
- (2番目の音)から半音づつ数えて3つ目の音(3番目の音)
もしくは
- メジャーコードの2番目の音を半音上げる
ディミニッシュコードの覚え方
ディミニッシュコードはdimや○などで表記されるコードで、dim7をdimとする教材もあるようですが厳密には違います。
ディミニッシュコードの数で覚える場合は
- ルート音(1番目の音)
- ルートから半音づつ数えて4つ目の音(2番目の音)
- 4番目の音から半音づつ数えて4つ目の音(3番目の音)
です。
数えるよりも簡単な覚え方が
メジャーコードの2番目と3番目の音を半音下げる
です。
例:Cdim=ド・ミ♭・ソ♭
ディミニッシュコードの覚え方まとめ
- ルート音(1番目の音)
- ルートから半音づつ数えて4つ目の音(2番目の音)
- (2番目の音)から半音づつ数えて4つ目の音(3番目の音)
もしくは
- メジャーコードの2番目と3番目の音を半音下げる
オーグメントコードの覚え方
オーグメントコードはオーギュメントコードとも呼ばれ、augなどで表記されるコードです。
オーグメントコードの数で覚える場合は
- ルート音(1番目の音)
- ルートから半音づつ数えて5つ目の音(2番目の音)
- 4番目の音から半音づつ数えて5つ目の音(3番目の音)
です。
数えるよりも簡単な覚え方が
メジャーコードの3番目の音を半音上げる
です。
例:Caug=ド・ミ・ソ♯
オーグメントコードの覚え方まとめ
- ルート音(1番目の音)
- ルートから半音づつ数えて5つ目の音(2番目の音)
- (2番目の音)から半音づつ数えて5つ目の音(3番目の音)
もしくは
- メジャーコードの3番目の音を半音上げる
オミットコードの覚え方
ピアノコードとしてはあまり使われること少いですが、Omitなどで表記されるコードです。
Omitの種類は「Omit3」「Omit5」「Omit root」があり、Omitの後ろに続くものを省略するということです。
- 「Omit3」=2番目の音を省略する
- 「Omit5」=3番目の音を省略する
- 「Omit root」=1番目の音を省略する
ということになります。
この中でOmit3が割と多く聞かれ、Omit3はロックなどでよく使われているパワーコードのことになりますね。
だからピアノコードとしては馴染みは薄いし、あまり使うこともないかもしれませんね~
コードCを例に出すと、
- COmit3=ド・ソ
- COmit5=ド・ミ
- COmit root=ミ・ソ
オミットコードの覚え方まとめ
- Omitの後に続く箇所を省略する2音構成のコード
まとめ
ピアノコードは基本となるメジャーコードさえ覚えてしまえば、他のコードも簡単に覚えることができます。
だからメジャーコードを覚えてしまえば、それ以上の数のコードを簡単に覚えることができるんですね。
ポイントは
- メジャーコードの音の配置を数えて覚える
- 4つの音のコードはメジャーコードの音の位置から数えて追加する
- メジャーコードの音から半音上げたり下げたりすると他のコードになる。
これは作曲するときにも、ピアノでコード弾きや弾き語りするときにも役立つので参考にしていただければ幸いです^^