【日本語ラップの歴史と名曲】90年代のクラシックまとめ|入門編

日本語ラップは1980年代に生まれ、その後1990年代に黎明期を支えた大御所やレジェンドと呼ばれるグループやMC・曲が登場しました。

今でも活躍しているアーティストももちろんいて、今の日本語ラップの原点ともいえます。

今回は1990年代に登場したアーティストを名曲も合わせて、日本語ラップのクラシックにスポットをあてて時系列に沿って紹介します。

全てを網羅してはいませんが、入門編として抑えておくべき曲やアーティストに絞っています。

それでは早速見ていきましょう!

カム
細かい時系列や年代の境目は曖昧です。敬称略していますm(_ _)m
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1990年代前半

スチャダラパー

1990年にファースト・アルバム『スチャダラ大作戦』でデビュー。

メンバーは

  • BOSE(MC)
  • ANI(MC)
  • SHINCO(DJ)

の2MC1DJの編成。

いわゆるハードコアやストリート路線ではなく、コミカルなヒップホップが特徴。

メディアにもいち早く登場し、BOSEが子供向け番組ポンキッキーズしたりサブカルチャー関連でよく見かけた印象です。

スチャダラパーは「リトル・バード・ネイション」 (LB) というグループを結成。

TOKYO No.1 SOUL SET、四街道ネイチャー、キミドリなど10以上のグループやアーティストがメンバーとなる、一大勢力のグループの一つとなりました。

またフリースタイルダンジョンの初代モンスターで現司会者である、サイプレス上野のユニット「サイプレス上野とロベルト吉野」も2016年のスチャダラパーのイベント参加後にメンバー入りしています。

日本語ラップをコミカル&サブカルの系統から開拓した、ヒップホップ黎明期の勢力の一つです。

カム
「リトル・バード・ネイション」 (LB) はサブカル色が強いイメージで、当時はヒップホップ版渋谷系の印象がありましたね。

スチャダラパーの名曲

スチャダラパーの曲といえば「今夜はブギー・バック」

日本語ラップファンだけでなく、サブカルが好きな人やJPOPが好きな人にまで浸透している日本語ラップの名曲の一つです。

スチャダラパーの名曲は以下の記事にまとめました。

⇨ 【日本語ラップ】スチャダラパーの名曲(客演含)まとめ|オススメ厳選10曲!

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MICROPHONE PAGER

1992年に結成。

メンバーは

  • MURO(MC)
  • TWIGY(MC)

の2MC。

日本語ラップ黎明期を支え、日本語ラップシーンを大きくした伝説的なグループ。

MCでるMURO・TWIGY本人も日本ラップ界のレジェンドと言われる存在で、

MUROは「KING OF DIGGIN’ PRODUCTION」という集団を作り、TWIGYはYOU THE ROCK☆、RINO LATINA IIらと共に雷(今のKAMINARI-KAZOKU)を結成しました。

この二つのグループも伝説的なグループで、「KING OF DIGGIN’ PRODUCTION」はファンクやソウル感が強く、雷はストリート&アンダーグラウンド感が強い印象です。

「KING OF DIGGIN’ PRODUCTION」のメンバーから後に、伝説的なグループ「NITRO MICROPHONE UNDERGROUND」が生まれます。

カム
ゴリゴリのハードコアでもなく、スチャダラパーともまた路線の違う、アンダーグラウン感とブラックミュージックが混ざった曲調が特徴ですかね~

MICROPHONE PAGERの名曲

MICROPHONE PAGERの代表曲で思い出すのが、「病む街」と「改正開始」です。

「改正開始」は個人的には、改正開始 08」の方が好きですね~

病む街(You Tube)

改正開始 08(You Tube)

MUROの曲

MUROの曲調はファンクやソウルのサンプリングしたトラックが特徴で、南国テイストのラテンビートを活かした曲もあります。

ストリート感よりも60年代70年代(だと思う・・・)のブラックミュージックの雰囲気ですね。

MUROのオススメの曲はこちらにまとめました。

⇨ 【日本語ラップ】MUROの名曲・人気曲まとめ|クラシックなヒップホップ11選

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TWIGYの名曲

TWIGYは声にとても特徴があり、さらに色々な声色があって何とも不思議な感じです。

一度聴いたら忘れられない声質で、曲によってかなり声が違うのも特徴ですね。

また曲調はどこか浮遊感があるような、でもブラックミュージックを感じさせる雰囲気が多い感じです。

TWIGYの曲の中でオススメなのが、「夜行列車(T2K MIX)(FEATURING BOY-KEN)」と「Righ’ Now! feat. YOU THE ROCK & 加藤ミリヤ」。

どちらも中毒性が高いですね。

夜行列車(T2K MIX)(FEATURING BOY-KEN)(You Tube)

Righ’ Now! feat. YOU THE ROCK & 加藤ミリヤ(You Tube)

カム
「Righ’ Now!」のMVには、Zeebraや般若などがゲスト出演してますよ~

RHYMESTER

1993年にデビュー。

メンバーは

  • 宇多丸(MC)
  • Mummy-D(MC)
  • DJ JIN(DJ)

の2MC1DJ。

3人共早稲田大学出身で、途中活動休止を挟んで今もメジャーシーンで活躍しています。

またメジャーデビュー後まもなくして、「FUNKY GRAMMAR UNIT」というヒップホップコミュティを結成。

ここからRIP SLYMEKICK THE CAN CREWが出てきました。

RHYMESTERの曲

RHYMESTERは黎明期を支え活躍したグループの中で、日本語ラップとキャッチーさやポップ感を一番かっこよく融合させたグループだと思います。

また客演やコラボによっては、ストリート感の強いものやジャジーでオシャレなものまで曲調の幅が広く、聴きやすくカッコいいグループですね。

RHYMESTERのオススメの曲はこちらにまとめました。

⇨ 【日本語ラップ】ライムスターの名曲10選(客演込)|オススメはこれ!

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1990年代後半

LAMP EYE「証言」

雷(KAMINARI-KAZOKU)の前身のグループLAMP EYEが、1995年にリリースした「証言」

7MC~9MC(アナログ盤やライブ版で数が変わる)のマイクリレーと、かつ雷(KAMINARI-KAZOKU)のメンバーに、Zeebra、そしてBUDDHA BRANDのDEV LARGEという豪華なラインナップが衝撃的でした。

アンダーグラウンド感・ストリート感が満載な、日本語ラップのクラシックの代表曲の一つです。

証言(You Tube)

キングギドラ

1995年にデビュー。

メンバーは

  • ZEEBRA(MC)
  • K DUB SHINE(MC)
  • DJ OASIS(DJ)

の2MC1DJ。

それまでの日本語ラップを一つ上のレベルまでお仕上げたグループと言われ、レジェンドのアーティストの中で最も知名度が高いグループ。

1995年にデビューするも、まもなく方向性の違いやモチベーションの低下により活動休止に入ります。

そして6年後の2001年に再結成したことで、第1次日本語ラップブームが加熱していきました。

キングギドラの曲

アメリカナイズされた日本語ラップが特徴。

多くのMCが影響受けた、日本語ラップのクラシックですね。

デビュー時の代表的な曲は「空からの力」やアメトークでも話題になった「大掃除」。

大掃除(You Tube)

空からの力(You Tube)

再結成後は、ごりごりなハードコアやストリート感が全面に出ている曲が多かったです。

またメッセージ性が強い曲が多かったのも特徴です。

アメリカの同時多発テロについて歌った「911」

911(You Tube)

日本語ラップの中で一番有名なディス曲

公開処刑 feat. BOY-KEN(You Tube)

映画「凶気の桜」で使用された曲(個人的には一番カッコいい)

平成維新 feat UZI 童子-T(You Tube)

Zeebrの曲

日本語ラップ界の一番の立役者であるZeebraの曲は、ストリート感の強いものからパーティーチューンまで幅広いです。

この振り幅は好みが分かれますが、やっぱりストリート感のあるハードコアな感じの曲がいいですね~

今の日本語ラップのMCを見ても、やっぱりスキルフルだし声が反則的にカッコいい。

Zeebraの曲については以下の記事でまとめています。

⇨ 【日本語ラップ】Zeebraの名曲・人気曲(客演含)まとめ|オススメの17選

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K DUB SHINEの曲

K DUB SHINEの曲はZeebraとはまた違うテイストのストリート感。

社会情勢や政治についてなど、真面目でシリアスなテーマが多いのも特徴です。

日出ずる処(You Tube)

自主規制(You Tube)

1996年~1997年

1996年・1997年は日本語ラップにおいて、後に影響を大きく与える大規模なイベントが多発しました。

  • 1996年7月:「さんピンCAMP」/ECD主催
  • 1996年7月:「大LBまつり」/スチャダラパー主催
  • 1997年8月:「B-BOY PARK」スタート(2017年まで開催)/CRAZY-A主催

最初の日本語ラップブームに火が点くきっかけとなったイベントですね。

BUDDHA BRAND

1996年デビュー。

メンバーは

  • DEV LARGE(MC)
  • CQ(MC)
  • NIPPS(MC)
  • DJ MASTERKEY(DJ)

の3MC1DJ。

キングギドラと同様に、日本語ラップを一つ上のレベルに押し上げたグループ。

BUDDHA BRANDの曲

ブラックミュージックのテイストが色濃く、ハードコアなカッコよさというよりもファンク&ソウルなカッコいいです。

ですが、ストリート感の強いものやチル曲などテイストの幅は広く、かつラップがスムースで聴き心地が非常に良いのも特徴ですね。

また代表的なクラシック曲として、Shakkazombieとのユニット大神の「大怪我」は名曲です。

大神 (Shakkazombie and Buddha Brand)/大怪我(You Tube)

BUDDHA BRANDは他にも数々のクラシックを残しています。

BUDDHA BRANDの曲についてはこちらの記事にまとめています。

⇨ 【日本語ラップ】BUDDHA BRANDの人気曲&名曲10選|元祖チルな曲も

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SOUL SCREAM「蜂と蝶」

1999年リリース。

文系B-BOYとも呼ばれたグループSOUL SCREAMの「蜂と蝶」。

SOUL SCREAMも日本語ラップ黎明期を支えたグループですが、当時としてはかなり異質でリリカル。

その中で「蜂と蝶」はトラックが耳に残る、クラシックの名曲の一つです。

最近では流行りのラップバトルにビートが使われたことで、再脚光を浴びていますね。

蜂と蝶(You Tube)

まとめ

1990年代に登場したグループやMCと曲を紹介しましたが、2000年以降も名曲をリリースしてクラシックとして残っている曲も紹介しています。

現在も活躍しているMCやグループは多いですが、90年代という括りはあくまでZeebraやMUROなど黎明期を支えた世代に区切っただけです。

この世代が原点になっていることが多く、レジェンドとして扱われる人たちが多いです。

そして、この世代は東京それも渋谷がほぼ主流になっていますね。

黎明期を支えてきた日本語ラップのアーティストや曲は他にも色々ありますが、定番で有名な曲やアーティストなのでこの世代の曲を探す時に参考になれば幸いです。

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