日本語ラップの黎明期の次の世代筆頭の般若。そして78年式(昭和53年組)の一人。
フリースタイル・ダンジョンの初代ラスボスでも話題となりましたが、般若の曲は韻やフローよりも魂のかっこよさがあり、熱量が高く言葉に重みがあるのが魅力です。
今回はそんな般若の有名曲や人気の曲をまとめました。
僕の好みで選んでいるので、偏っているかもしれませんが良い曲がたくさんあります。
それでは早速見ていきましょう!
般若の有名曲・人気曲10選(2000年代)
2000年代の般若の曲はかなり尖った曲が多く、それに喰らった30代40代は多いと思います。
ここではまだ般若が世間的には知られておらず、イケイケで妄想族の雰囲気を残していた頃の作品をメインに紹介します。
サンクチュアリ
2005年リリースのアルバム「根こそぎ」収録曲。
がっつりディス曲ともいえるゴリゴリでハードコア曲で、これに喰らった人も多かったのでは。
ここまであからさまに名指しでディスした曲も無かったと思います。
MCだけでなく書籍、リスナーなど世間までディスしてます。
- MC:K DUB SHINE、KREVA、Zeebra、古株(黎明期世代まるごと)
- リスナー:アングラ気取りのオタク共
- 雑誌:BLAST
他にもたぶんディスがあると思いますが・汗
サイン
2005年リリースのアルバム「根こそぎ」収録曲。
アイドルSixTONESの田中樹が好きだと言って話題になりましたね。
若い頃の鬱憤だとか悩みとかを吐き出すようなリリックは、刺さる人も多かったと思います。
やっちゃった
2005年リリースのアルバム「根こそぎ」収録曲。
ちょーふざけた曲ですが、中毒性のある曲。
もしかしたらリリックのことに身に覚えがある人も多いかも?
心配すんな
2005年リリースのアルバム「根こそぎ」収録曲。
長渕剛の「心配しないで」をサンプリングした曲。
人生を応援してくれるような歌で、親友、家族、恋人、どれにも当てはまるリリックの般若らしいバラードです。
関係あんの?
2005年リリースのアルバム「ドクタートーキョー」収録曲。
これも先に紹介した「サンクチュアリ」と同じディス的な曲ですが、芸能や音楽シーン、宗教に対してのディス曲で曲調もシリアスです。
個人的にはかなり凄いディスで、ここまで言えるのもこの時代の般若だけなのかもしれません。
その男、東京につき
2006年リリースのアルバム「内部告発」収録曲。
かなりアッパーで熱量の高い曲です。
本物は何か?ってことを訴えているような、刺さる曲ですね。
理由
2006年リリースのアルバム「内部告発」収録曲。
アッパーでハードコアな曲ですが、リリカルでかなり尖っています。
この時の鬱憤や熱量が爆発したような曲です。
オレたちの大和
2006年リリースのアルバム「内部告発」収録曲。
2005年に公開された映画「男たちの大和 YAMATO」のサポートソング。
戦艦大和の乗組員の生き様を描いた内容の映画で、それにリンクした戦争に対しての般若のリリックが印象的です。
最ッ低のMC
2009年リリースのアルバム「HANNYA」収録曲。
かなりアッパーでアガる一曲で、自分の根ざしたものを振り替えっているような曲です。
黎明期のレジェンドであるキングギドラ、BUDDHA BRAND、雷(現・KAMINARI-KAZOKU)、MICROPHONE PAGERがルーツだということが分かります。
それまでは、Zeebraを始め黎明期のMCをディスっていた事が多かったので、この曲がリリースされた時には衝撃的でした。
また他にも証言(Lamp EYE)やKing of stage(RHYMESTER)など、リリックに色々散りばめられているので面白いですね。
ゼロ
2009年リリースのアルバム「HANNYA」収録曲。
沖縄の三絃?の楽器を使った沖縄テイストのあるトラックに、シリアスなリリックと般若のラップががっつりハマった曲。
個人的には2000年代の般若の曲の中で、一番リリックがハマりました。
黎明期を含めて他のMCには無テイストの曲調で、般若ならではだと思います。
般若の有名曲・人気曲6選(2010年以降)
般若が昭和レコードを立ち上げ以降の有名曲や人気曲を紹介します。
何も出来ねえけど
2011年リリースのアルバム「BLACK RAIN」収録曲。
東日本大震災後の復興への応援歌。
当時、般若は売り上げを全部寄付して、他のラッパーたちに呼びかけて募金し、更にボランティアも行ったそうです。
この曲を聴いて励まされた人も多いと思います。
LIFE
2014年リリースのアルバム「#バースデー」収録曲。
曲名通り人生を歌った曲で、共感できるとともに応援されるているようなリリックが心に響きます。
ハードコアでもないし、アンダーグラウンド感もない、般若らしい曲です。
家族 (feat. KOHH)
2014年リリースのアルバム「#バースデー」収録曲。
自分たちのルーツを歌った曲。
般若と次世代の筆頭KOHHの組み合わせも興奮しましたが、かなりコアでシリアスな二人のリリックは他に無い曲になっています。
般若の熱量のあるラップとKOHHのどこか浮遊感のあるラップのコラボは、曲調も相まって凄い曲になっています。
般若はまだしもKOHHがこのテイストの曲を歌うのも意外に感じましたが、この曲は般若とKOHH以外には間違いなく歌えない歌です。
自分たちの家族を振り返る一曲でもあると思います。
あの頃じゃねえ
2016年リリースのアルバム「グランドスラム」収録曲。
当時の般若の集大成のような曲で、ヒップホップのこれまでの歩みを歌っています。
10年前のような若く尖った感じは無くなり、より言葉の重みが増した感じですね。
かなりアガる曲だし、15年以上のキャリアだからこそできる曲ですね。
生きる
2018年リリースのアルバム「話半分」収録曲。
MVには若手女優の松本穂香さんが出演しています(ブレイク前?)
MVの雰囲気も般若が大人のカッコよさがにじみ出ています。
シリアスで緊張感のある曲調と、曲名のとおり「生きる」をテーマにしたリリックは、自分の気持や心に刺さるのではないでしょうか。
個人的には特にイチオシで、般若だからこその世界観と良さが聴けます。
大丈夫
2019年公開。
どん底から這い上がる気持ちにさせてくれる曲。
単に応援してくれるような曲ではなく、人生の修羅場を乗り越えてきたからこその叱咤激励をしてくれるようなリリック。
般若だからこそ言葉に重みを感じ、男を泣かせるバラードですね。
最後に
⇨ 【日本語ラップの歴史と名曲】発展期(2000年代~)の人気MCをまとめてみた
日本語ラップは2000年代前後から黎明期から支えたZeebraの下の世代も台頭してきます。 またZeebraたちとほぼ同じ世代であっても、知名度や人気が上がってきたMCもいます。 この時期になると多くの地方勢のMCが活躍し、また[…]
般若の曲は2000年代の初期の作品と、現在の作品とでは少しテイストも変わってきているので、そこも聴き応えがあると思います。
かなり尖ったモノやふざけた曲、シリアスな曲など多彩ですが、何よりも言葉の重みや熱量が他の日本語ラップのMCと違うところではないしょうか。
今はスキルフルで多彩なMCも昔に比べてたくさんいますが、熱量と日本語の重みがあるラッパーはなかなかいません。(ZORNのリリックはかなり良いですけど)
流行りに流されない自分の型をもっている、純粋な日本産ヒップホップといえるMCの一人ですね。
だからこそ好き嫌いはハッキリと分かれそうですが、般若のリリックが刺さる人も多いのではないでしょうか。
今回紹介した意外にもたくさんあるので、般若を聴き始める時の参考にしてもらえれば幸いです。