新型コロナウイルスの感染の広がり急速に進んでいることで、政府は7日にも緊急事態宣言が出されました。
緊急事態宣言は以前から報道されていますが、実際に緊急事態宣言が出たら私達の仕事や生活はどうなるのか?
また主要の鉄道の減便を政府が検討しているようで、逆効果だと批判が相次いでいます。
今回は、緊急事態宣言が出た時の仕事や生活に及ぼす影響と鉄道の減便について調べてみました。
それでは早速見ていきましょう。
緊急事態宣言とは
緊急事態宣言とは2012年に成立した「新型インフルエンザ等特措法」(特措法)に基づくもので、2020年3月に新型コロナウイルスにも対応できるように改正されました。
この改正は今流行している新型コロナウイルスも新型インフルエンザ等とみなしたことになります。
この特措法の条文がこちら
緊急事態宣言の条件
第三十二条
政府対策本部長は、新型インフルエンザ等(国民の生命及び健康に著しく重大
な被害を与えるおそれがあるものとして政令で定める要件に該当するものに限る。以下こ
の章において同じ。)が国内で発生し、その全国的かつ急速なまん延により国民生活及び
国民経済に甚大な影響を及ぼし、又はそのおそれがあるものとして政令で定める要件に該
当する事態(以下「新型インフルエンザ等緊急事態」という。)が発生したと認めるときは、
新型インフルエンザ等緊急事態が発生した旨及び次に掲げる事項の公示(第五項及び第三
十四条第一項において「新型インフルエンザ等緊急事態宣言」という。)をし、並びにそ
の旨及び当該事項を国会に報告するものとする。引用:https://shop.gyosei.jp/online/wp/wp-content/uploads/2020/03/1584342171.pdf
上記を読むと、
- 新型インフルエンザ等(今回でいうと新型コロナウイルス)が国内で発生
- 全国的に急速な感染拡大
- 国民の生活や経済に多大な影響を与える、または恐れのあるもの
と認められた場合に緊急事態宣言が公示されるようです。
その際に国会に報告しなくては池に事柄が
- 実施期間
- 実施区域
- 事態の概要
の3つです。
緊急事態宣言の実施期間と区域
実施期間は2年を超えてはならないのですが、緊急事態宣言が出された後に必要だと認められれば、期間を延長したり区域を変更することが可能です。
延長する期間の上限も決まっていて、延長期間の上限は1年以内。
記事作成時点(4月6日)では、緊急事態宣言の期間は5月6日(約1ヶ月)で検討しているとの報道がありました。
~追記~
4月7日に正式に緊急事態宣言が出されました。
- 期間:2020年4月7日~5月6日
- 該当区域:東京都・埼玉県・千葉県・神奈川県・大阪府・兵庫県・福岡県
緊急事態宣言が出された時の都道府県の対応
都道府県対策本部長は、新型インフルエンザ等緊急事態において、第二十四条第一項の
総合調整に基づく所要の措置が実施されない場合であって、当該都道府県の区域に係る新
型インフルエンザ等対策を的確かつ迅速に実施するため特に必要があると認めるときは、
その必要な限度において、関係市町村長等並びに指定公共機関及び指定地方公共機関に対し、必要な指示をすることができる。
(市町村対策本部の設置及び所掌事務)引用:https://shop.gyosei.jp/online/wp/wp-content/uploads/2020/03/1584342171.pdf
状況によっては、権限を都道府県知事を始めとする対策本部が、各市町村や公共機関に対して指示する権限が与えられるようです。
東京都で言えば、緊急事態宣言が出たら小池百合子都知事から、必要に応じて各市町村へ指示が出るってことですね。
緊急事態宣言が出された時の市町村の対応
第三十四条
新型インフルエンザ等緊急事態宣言がされたときは、市町村長は、市町村行動
計画で定めるところにより、直ちに、市町村対策本部を設置しなければならない。引用:https://shop.gyosei.jp/online/wp/wp-content/uploads/2020/03/1584342171.pdf
各市町村は、緊急事態宣言が出たら対策本部設置する義務が生じるようです。
緊急事態宣言の主旨
第四十五条
特定都道府県知事は、新型インフルエンザ等緊急事態において、新型インフル
エンザ等のまん延を防止し、国民の生命及び健康を保護し、並びに国民生活及び国民経済
の混乱を回避するため必要があると認めるときは、当該特定都道府県の住民に対し、新型
インフルエンザ等の潜伏期間及び治癒までの期間並びに発生の状況を考慮して当該特定
都道府県知事が定める期間及び区域において、生活の維持に必要な場合を除きみだりに当
該者の居宅又はこれに相当する場所から外出しないことその他の新型インフルエンザ等
の感染の防止に必要な協力を要請することができる。引用:https://shop.gyosei.jp/online/wp/wp-content/uploads/2020/03/1584342171.pdf
条文だと、
- 新型コロナウイルスの蔓延の防止
- 国民の生命及び健康の保護
- 国民に対しての不要不急の外出禁止の要請
ここは今まで言われている事と同じような感じですが、条文に詳細が記されていて、
緊急事態宣言区域の都道府県知事は
- 学校、社会福祉施設
- 興行場(イベント施設)
- その他多数の者が利用する施設
これらを管理する人物または、その施設を使用してイベントを開催する人に
- 施設の使用の制限・停止
- 催物の開催の制限・停止
- その他政令で定める措置
上記の措置を要請することができます。
ここまでだと、あくまで要請なので緊急事態宣言が出る前と、それほど違いは無いように見えますよね。
しかし、緊急事態宣言の特徴はここからで、
もし要請に応じない場合、緊急事態宣言の区域の都道府県知事は先程の措置を要請から指示に変えることができます。
指示となった場合、命令となるので効力は増しますよね。
今の社会情勢ではほぼ無いと思いますが、それでも応じない人はいるかもしれません。
ですが、緊急事態宣言が出た時の都道府県知事が要請・支持した時は公表する義務が生まれます。
なので、施設や企業(人物?)が公表されるわけです。
個人的には要請はまだしも、指示したということは、
「この施設・企業は要請を受け入れなかったんだな」
って知られるわけですから、ブランドイメージが下がる可能性も十分にあるので強制力は強いと思います。
緊急事態宣言が出たら生活はどうなる?
第五十条
特定都道府県知事又は特定市町村長は、新型インフルエンザ等緊急事態において、
新型インフルエンザ等緊急事態措置の実施に当たって、その備蓄する物資又は資材が不足
し、新型インフルエンザ等緊急事態措置を的確かつ迅速に実施することが困難であると認
めるときは、特定都道府県知事にあっては指定行政機関の長又は指定地方行政機関の長に
対し、特定市町村長にあっては特定都道府県知事に対し、それぞれ必要な物資又は資材の
供給について必要な措置を講ずるよう要請することができる。
(備蓄物資等の供給に関する相互協力)引用:https://shop.gyosei.jp/online/wp/wp-content/uploads/2020/03/1584342171.pdf
もし物資や資材が不足した時には、速やかに供給できる対策を講じる様、市町村長が都道府県知事に要請することができるようです。
ここで言うところの物資や資材というのがいまいちイメージしにくいのですが、マスクなど医療品や食料などを指すのでしょうか。。
インフラ
第五十一条
指定行政機関の長等は、新型インフルエンザ等緊急事態において、その備蓄す
る物資及び資材の供給に関し、相互に協力するよう努めなければならない。
(電気及びガス並びに水の安定的な供給)引用:https://shop.gyosei.jp/online/wp/wp-content/uploads/2020/03/1584342171.pdf
緊急事態宣言が出ても、電気・ガス・水道のインフラはしっかりと供給する、また供給できるような措置を取ることが義務付けられています。。
なので、生活に直結するインフラは大丈夫そうですね。
運送・通信・郵便など
第五十三条
運送事業者である指定公共機関及び指定地方公共機関は、新型インフルエンザ
等緊急事態において、それぞれその業務計画で定めるところにより、旅客及び貨物の運送
を適切に実施するため必要な措置を講じなければならない。引用:https://shop.gyosei.jp/online/wp/wp-content/uploads/2020/03/1584342171.pdf
旅客や貨物の運送が出来るよう適切に措置する義務があります。
特に緊急物資の運送については、都道府県知事が運送事業者に要請することができるようです。
また通信(インターネット)も郵便も同様に適切に措置する義務があり、特に通信は緊急事態宣言に必要な通信を優先的に取り扱う義務があります。
この条文を読むと、運送や通信、郵便も一般生活においての支障は無さそうです。
生活物資について
第五十九条
指定行政機関の長及び指定地方行政機関の長並びに地方公共団体の長は、新型
インフルエンザ等緊急事態において、国民生活との関連性が高い物資若しくは役務又は国
民経済上重要な物資若しくは役務の価格の高騰又は供給不足が生じ、又は生ずるおそれが
あるときは、政府行動計画、都道府県行動計画又は市町村行動計画で定めるところにより、
生活関連物資等の買占め及び売惜しみに対する緊急措置に関する法律(昭和四十八年法律
第四十八号)、国民生活安定緊急措置法(昭和四十八年法律第百二十一号)、物価統制令(昭
和二十一年勅令第百十八号)その他法令の規定に基づく措置その他適切な措置を講じなけ
ればならない。引用:https://shop.gyosei.jp/online/wp/wp-content/uploads/2020/03/1584342171.pdf
生活に必要な物資についての条文ですが、
生活関連物資等の買占め及び売惜しみに対する、緊急措置に関する法律に基づく措置をされるようになります。
なので、社会問題になっている転売ヤーに、より強い規制ができるのかなと期待したいですね。
緊急事態宣言が出たら仕事はどうなる?
これは職種によってだと思います。
インフラ関連・通信関連・運送関連は完全休業とはいかないので、就労時間など緊急事態宣言による働き方は変わる可能性はありますが。
ただ現在すでに影響が出ている、飲食店・小売・エンタメ事業(映画館やアミューズメント施設など)は、要請・指示の勧告も可能になることで引き続き多大な影響を及ぼすと思います。
特に自営業や個人事業主は深刻で、政府が一世帯30万を支給するという報道がされましたが、
- 支給される世帯の条件(新型コロナウイルスでどれだけ売上が落ちたか)
- 実際に支給される時期
- 申請方法
がまだ詰められていなく、経済学者の想定では「早くても5月下旬頃になるのでは」という話もありました。
すぐにでも補填したい人も多いと思われますが・・・
- 緊急事態宣言は4月7日(4月6日時点)
- 緊急事態宣言の期間は5月6日まで(4月6日時点)
- 外出自粛の要請
- 施設(学校・福祉施設・イベント施設・その他施設)の制限、停止、その他措置の要請・指示
- イベント・催しモノ開催の制限・停止・その他措置の要請・指示
- インフラ・運送・通信・郵便はとりあえず問題無い
- 都道府県知事が運送事業者に要請できる
- 買占めや売惜しみに対する緊急措置
鉄道の減便の目的は?
4月6日に鉄道の減便を検討していると報道がされました。
政府は首都圏などの鉄道会社に減便を要請しているようです。
- 対象:各主要鉄道(新幹線も含む)
- 減便割合:通常の5割程度の運行
減便は平日、土日祝日のダイヤを採用して終電の繰り上げも検討しているようです。
鉄道の減便の目的は?
減便の詳細な目的は発表されていないようですが、
- 感染拡大を防ぐため
- 乗務員の感染の確率を減らすため
だと思われます。
これは車両や乗務員の運用に余裕をもたせ、乗務員の感染が発生した場合でも代替の乗務員を確保しやすくなるメリットがあります。
また列車の突発的な運休を防ぐこともできます。
ただ・・・
鉄道の減便は逆効果では?
いやいやいや
首都圏の鉄道減便したらあかんww
減便するなら企業の休業も併せて要請しないと
少なくとも通勤時間帯は通常運行
10時〜16時の日中だけ減便とかでないと
余計に混んで3密どころじゃないわ— かるしょうずくだもん (@oghykejzrova) April 6, 2020
ネットでは上記のような意見が多数で、専門家も批判しています。
普通の社会人ならすぐ思いつきそうなことですが、
鉄道の運行本数を減らしても、鉄道を利用している人の数が変わらなければ減便の意味はありません。
それに減便したことで、より混雑する事が容易に予想できます。
むしろ「3密」を助長するような状況にしてしまい、より新型コロナウイルスの感染を拡大してしまいかねません。
ただし、逆効果だと思われるのは通勤・帰宅時間帯などラッシュ時の場合です。
他の時間帯や終電の繰り上げは一定の効果が見込めるのかもしれません。
一方では、
乗務員が新型コロナウイルスに感染しないような施策をとった上で、鉄道の平常運転を行うのが良い。
という意見もありました。
それにもし鉄道を減便するのなら、都市バスなども同様の施策を打つべきだと思いますね。
バスも通勤時間帯はかなり混雑するので・汗
最後に
緊急事態宣言による東京都の対応をまとめました。
⇨ 緊急事態宣言の東京都の対応まとめ|休止・休業を要請する施設一覧
新型コロナウイルスによる緊急事態宣言が、4月7日に出されることがほぼ確定しました。 これを受けて東京都は緊急事態宣言後の対応案が発表されるようです。 また4月6日の夜には小池百合子都知事が会見をする予定です。 今回は東京都[…]
いずれにせよ、減便は感染リスクを上げる可能性のほうが高い気がするし、減便するのなら
減便 ⇨ 利用者を減らす=会社を休む ⇨ 賃金の保障
これは新型コロナウイルスの影響で営業できないお店や、影響を受けている企業で働いている大半の人が思っていることですよね。
もちろん経済的な打撃もあるので一概にはいかないかもしれませんが、減便という施策を取るのなら、
じゃあ減便で生じるリスク(賃金なのか感染確率なのか)を、国や政府が負ってよって思ってしまいます。