ピアノを弾く時には正しい姿勢で演奏することが大切です。
その正しい姿勢の中には、ピアノを演奏する時の椅子の座り方や手の形まで含みます。
そこで今回はピアノを演奏する時の椅子の座り方や手の形の作り方など、ピアノを弾く時の正しい姿勢について解説します。
それでは早速見ていきましょう。
ピアノを弾く時の正しい姿勢は何のため?
一般的にピアノを演奏する時には、正しい姿勢で演奏することが推奨されています。
ただ正しい姿勢でなくても、もちろんピアノを弾くことは可能です。
では、何で
「ピアノを弾く時に正しい姿勢で弾きましょう」
と言われるのか?
その理由は
身体に負担をかけずに、効率よく正確に演奏するためです。
正しい姿勢でピアノを練習することで、効率的に身体を使うことができるので上達も早いし、変なクセも付きづらいです。
またピアノを演奏する時の正しい姿勢は、ピアノが生まれてから現在までに試行錯誤された結果推奨されているので、今後未来において正しい姿勢が変わる可能性はあります。
ピアノ演奏における正しい姿勢の効果
正しい姿勢でピアノを演奏することは、前述したように身体に負担をかけずに効率よく正確に演奏することができるからですが、具体的には
- 効率的に力を伝えることができる
- 演奏する時に余分な力がかからない
- 演奏する時の腕が動かしやすい
主にこの3つの効果が期待できるからです。
効率的に力を伝えることができる
ピアノを弾くというのは鍵盤を「押す」という動作です。
この「押す」動作において効率的に力を伝える必要があります。
これは指の力だけでなく、腕の重さなども関係しているんですね。
押す動作に効率的に力を伝えるために、椅子の高さや腕の位置、背筋、足の位置など「姿勢」が重要となってくるわけです。
演奏する時に余分な力がかからない
余分な力がかからないというのは、身体がリラックスしている状態です。
身体や手に無駄な力が入っていると手の運びが自分の意志とズレるので、演奏に支障をきたすことがあります。
まぁ何より身体に力が入って硬直している状態での演奏は疲れますしね。
演奏する時の腕が動かしやすい
腕が窮屈な状態だったり、動かしにくい状態だと、当たり前ですがピアノの演奏に支障をきたします。
ピアノは88の鍵盤があるので、その幅を腕がスムーズに動かせるような姿勢を取らなくてはいけません。
(シンセやキーボードの場合は、88鍵盤より少ないものもあります)
正しい姿勢を取ることで腕をスムーズに動かすことができます。
ピアノを弾く時の正しい姿勢の作り方
ここからは、ピアノを弾く時の正しい姿勢の作り方を解説します。
正しい姿勢のポイントは
- 椅子の座り方
- 身体の位置
- 手の形
です。
椅子の座り方
椅子の位置
椅子は鍵盤の幅の中央に配置します。
椅子の高さ
椅子の高さは肘の高さが鍵盤とほぼ同じになるような位置です。
椅子の座り方
やや浅めに腰掛け、足が踵まで全部床に付くように座ります。
悪い座り方として
- 椅子の背もたれにもたれかかる
- 鍵盤に近づきすぎる
このような状態にならないように注意してください。
身体の位置
頭
目線が楽譜に行くような姿勢になるようにします。
少し顎引くくらいがちょうど良いですね。
肘や脇
肘は脇は前述したように、腕が動かしやすい位置に持っていくことに繋がります。
肘は脇を閉めすぎず、自由に動かせるような姿勢を探してください。
肘や脇が窮屈な状態だと、身体に余計な力が入ってしまいます。
上半身
体重移動ができるような姿勢がベスト。
ピアノは88の鍵盤があるので、端の鍵盤を弾く場合には必ず体重移動が必要となってきます。
また演奏の表現として、曲調の強弱で上半身ごと鍵盤に乗せるような弾き方をすることもあります。
なので、自由に無理なく体重移動ができるような姿勢を取ることは大切です。
足
椅子の座り方でも解説しましたが、足は床に踵まで全て付くようにします。
また左右の足は完全に閉じず、少し開いている状態がいいですね。
ペダル
もしペダルも使う場合には、必ず踵を付き足の指の付け根から踏み込むようにします。
ペダルを踏み変える時には、足にペダルを触れた状態で行いましょう。
ペダルを使う時に、よく踵を浮かしてつま先から踏むやり方をしている場合がありますが、これはペダル捌きの動作が遅れる原因となります。
余計な力が入る原因にもなるんですよね。
実際に僕もこのクセがありましたが、このやり方は一見ペダルが踏みやすく感じますが不安定なんですよね・汗
手の形
ピアノを弾く時の手の形でよく言われるのが、
「卵を持っているような形」
ですが、ここまで丸くする(手を立てる)必要も実際ありません。
というか、これだと単純に弾きにくいと思います・汗
手の形を作る上で大切なのは、手の状態に無理がないこと。
手の作り方としては、まず左右の手を合わせ拝むような形をつくります。
その状態から手を膨らませ、その状態の手をピアノの上に置いてみましょう。
または腕を伸ばして手をダラーッと力を抜いてください(幽霊のような手の形ですね)。
そして同じく、そのまま手をピアノの上に置いてみます。
最後に
ピアノを弾く時には出来る限り、今回解説したポイントを抑えて実際にピアノの前に座ってみて、正しい姿勢を作ってみてください。
正しい姿勢でピアノを弾くことで、上達も早くなるし余計な力が入らない分疲れることもありません。
ただあまり考えすぎるのも時間の無駄だと思っていて、
ある程度の正しい姿勢を意識しながら、まずピアノを弾くことを楽しむことが一番大切だと思います。
正しい姿勢の形を頭に入れたら、まずはピアノを楽しみましょう!